🦒カク
「おお、おはよう!今日は仕事詰めでゲンナリしとったが、なんだかやる気になるのう!」
ガレーラカンパニーの職長ともなると、朝が早いのかもしれない。朝早くに出たつもりが、たどり着いた時には既に着替えを済ませていたカク。声を掛けると太陽サンサンなさわやかな笑みを浮かべて声を掛けてきたが、……続く言葉は浮かれてもよいのだろうか。どう反応すればいいか考えていると彼はニヤリと笑って「なんじゃ、こういう口説き文句は慣れておらんのか」と距離を詰めながら尋ねた。
🥖サッチ
「おっ、なんだなんだ。今日もうちの末っ子は可愛いなぁ!」
白ひげ海賊団の末っ子であるせいか、なんだかやけに可愛がられている。ギャレーに降りて挨拶をするや否や、ニコニコと上機嫌に笑みを浮かべるサッチ。……もしかしたら、彼は朝起きるだけで、いいや、息を済むだけでエラい!と誉めてくれるのかもしれない。そんなことを考えて見つめていると、サッチは首を傾げたあと、何かを察した様子で腕を広げて「ようし、朝の挨拶だな!」と笑うので、バフンと柔らかい胸に収まりに行くと、その体は簡単に持ち上げられて、おはようという声が朝を報せた。
🔫ベックマン
「……」
返事が無い。いまだに布団へ潜った体。こんもりと盛り上がった布団を見ていると、なんだかクマが冬眠しているようだと思ったが、彼がこうも起きないことは珍しい。女遊びでもしたのだろうか。いいや、昨夜はたしか、夜遅くまで宴が続いていた筈。ともすれば、単なる寝不足か、それとも体調不良か。……なんにせよ起こして確認をした方が早いかと揺さぶり、布団を剥ぐと、ヌウと伸びた手が腕を掴んで布団の中へと引きずりこんだ。「もう少し寝かせてくれ」「じゃあ離して」「子守歌が必要でね」そんなわけないくせに。そう理解はしているのに、甘える彼が珍しく思えてならない。腰が抱かれるなか、普段はない石鹸の香りとあたたかな体温を受けて抱きしめ返してみると、彼は頬を摺り寄せたあと、また静かに眠りへと落ちた。
🧥ボガード
「ああ、早いな。」いまだ空気が白く凍り付く早朝。ボガードの声は静かに落ちる。その言葉には殆ど抑揚も無く、続きも無い。しかし、向けられた視線は妙に真っ直ぐで、昨晩遅くまで仕事していたこと見透かされているように思えてならない。…まさかね?××は少し早口で「訓練でもしようかと」と言いながら隣に立つと、意外な言葉が返ってきた。
「……相手をしよう」
その提案は、あまりない事だ。「っ本当ですか?!」思わず、食い気味に尋ねた言葉。ボガードは帽子で目元に影を落としたまま、口を薄く開くと独り言ちるように呟いた。「珍しいな」「え?」「あぁ、いや、何も」そうして始まった朝稽古だが、生真面目な彼はとうぜん手を抜く事を知らない。華奢な身体は地面に倒れた「もう終いか」と煽る言葉がやけに大きく響いた。
🧥ボガード
事前に知らされていたとはいえ、五十トンの資材・物資の移管作業がきょう行われると思うと気が滅入る。普段よりも、覇気なく零された朝の挨拶。けれども挨拶をした相手は普段と変わらずの様子で背筋を伸ばす。その姿はまさに海軍将校の鑑だが…手にした書類が気になる。「もう仕事を始めたんですか?」「あぁ、今日は時間に限りがある。今のうちにできる事は潰しておきたい」始業時間はまだ一時間と先だが、書類に目を通している辺り早出残業をしているのだろう。前々から分かっていた事だが、随分とストイックな性格だ。彼ほどの地位に立てば、彼のように効率を考えてストイックに動けるようになるのだろうか。
……ああ、いや、ガープさんやその愛弟子であるクザンさんを見ていると、彼が生真面目すぎるだけな気もする。「手伝いますよ、どうせもう出勤しちゃいましたし」言いながら、手を差し出す。すると、僅かに奥に控えた瞳が瞬いた気もするが、「今働いたとしても、早上がりは出来ないが」と失礼なことを言うので、「しません!」そう言い返して、彼の持つ書類を奪い取った。
🎭ハクガン
「おはよう、××。……はぁ、…あっ……たか……」
厳しい寒さの続く冬島海域。操舵手の彼は、極寒の中でも構わず駆り出されて舵を切る。戻った頃には白く凍り付いた毛先。服の表面もうっすら霜がつき、可哀そうなくらい冷え切っているのに、彼はその状態で抱きしめる。……たぶん、揶揄いの気持ちもあったのだと思う。しかしまぁなんだ、背後から抱きしめた××の体は、寝起きのせいか妙に暖かい。「ぎゃあ」なんて聞こえる声は可愛げはないけれど、珍獣と思えば面白いか。
彼は抱きしめたまま機嫌良く零し、ついでに嫌がる彼女をずりずりと引っ張って一緒になって椅子に座ると、抱きしめたまま暖かさに甘えて息を吐き出した。「もうちょい、…もうちょい一緒にいてくれよ……」しかし、彼のもうちょいは長いもので、そのままスヤスヤと寝息を立てるハクガン。ペンギンとシャチはそれを見て笑うと、「あーらら珍し」「××抱き枕の効果はすげぇなぁ」と揶揄った。