黒岩
なんとなく寂しくて。なんとなく繋ぎ止めたくて。歩幅も合わずに少し前を歩く黒岩の後ろ頭を見つめて、革手袋に包まれた指先を握ると黒岩は足を止めて此方を見つめた。
「どうした。」
「………駄目?」
「…駄目とは言ってない」
口数は少ないがしっかりと手を繋いで、一度だけ想いに応えるように握り返してくれた手は、革越しだというのにじんわりと暖かった。
海藤
「…ん、なんだァ、どうした?」
急に手を繋がれたので驚いた表情を見せるが「寂しくて」と呟くと、ふはっと息を吐きだすと笑みを浮かべ、繋いだ手に指を絡めた。
「それじゃ、リクエストには応えねぇとな。」
彼の手が暖かいからか、それとも茶化すことなく快く受け入れてくれたからか、なんだかぽかぽかと温まる心。ついでに何か食いに行こうぜと海藤さんが歯を見せて笑うと🚺の手を引いて街中へとぶらり。