欲しいものはなんですか?

ピュール
「欲しいものですか?別に欲しいものは全て自分で用意できますし……仕事道具は自分で選びたいですし。……、……それってキミの時間でも良かったりしますか」
唐突すぎる質問に、また一体なんだと少しだけ冷ややかな視線を送るピュール。しかし、意外にも一蹴もせず考え始めた彼は、真面目に考えているらしい。趣味に必要な道具や布──欲しいものは指折り数えるほどあるものの、こだわりがあるからこそ自分で選びたい。よってうまく答えを出せないでいる彼は指折り数えていた手を下ろして××を見たが、そういえば、自分が勇気も出せずに進展出来ずにいる彼女がいる。そうして提案を利用する形でポツリと尋ねると、「クリスマスプレゼント、くれるんですよね」と××の袖をクイと引いて、真っ直ぐに見つめた。

カラスバ
「そら聞かんでも分かるやろ、おれがいま一番ほしいのはオマエや。……そやけど、それはオマエから貰うたら意味があらへん。おれが自分の手で手に入れなな」
彼の言葉は実に実直であった。真っ直ぐな言葉が語る好意と、それに対する姿勢。それは彼からすれば単なるお遊び感覚でしかないのかもしれないけれど、今日のその言葉はよく胸に響いた。だからそこで反応を上手く返せずに沈黙が生まれたのは事実。彼はそれにフと息を漏らすように笑い、白く凍り付いた息を吐き出すと「クリスマス、楽しみやな」と目を細めた。

ホップ
「うーん欲しいもの……この間ずっと欲しかったシューズは買ったばっかりだしなー。あ、じゃあ××とか……ってそれは流石にナシか。うーん、でも他に欲しいものっていったらそれぐらいなんだよな」「そりゃあ××はモノじゃないけどさ、一緒にいてくれるなんて嬉しいだろ?」
その瞳の輝きっぷりといったら!思わずこちらが目を逸らしたくなるほど彼は真っ直ぐで、その言葉のなかに下心なんてものはない。ただ、真っ直ぐに隣にいる事が幸せなのだと語る声は彼を象徴するように弾んでおり、つい、お腹の奥底がこそばゆくなってしまった。

ネズ
「欲しいものですか、はぁ、しいて言うなら××ですかね。こういう時、きちんと告白すべきなんでしょうけど……おれ……ほんとダメな奴だからさ」「笑ってもいいですよ、でも、欲しいものが何かと聞いたのはおまえですから」
普段通り猫背のまま、ダウナーな彼は静かに言う。けれど普段とは違い距離を縮める彼は、真っ直ぐに私を見ている。ひやりと冷たい手のひらは頬を撫で「それで、サンタさんはくれるんですかね」と尋ねる声は、どこか期待を示していた。

ヤロー
「あのう……その欲しいものっていうのはなんでもいいんですかねえ。……ふむ、それじゃあクリスマスに××さんのお時間を二時間ほど貰うっていうのは……」「その時間で何をするかって?それはおいおい……決まってもいないのに手の内をみせる奴はおらんわな」
相変わらずのんびりとした口調のせいで、いまいち本気度が見えない。しかし、その一方でなにか彼の言葉が意地悪めいているように思えてならない。「その日はオシャレしたほうがいいですか?」もしかしたら自分が自惚れているだけかもしれない。そんな想いから随分と遠回しなことを尋ねると、彼はニコリと笑って「めいっぱいオシャレしてくれると、ぼくはうれしいですねえ」と呟いた。