【三年】
黒岩(生徒会長)/綾部/渡辺/桑名/海藤
【二年】
八神/東/阿久津/相馬
【一年】
九十九/杉浦/星野
■卒業式(黒岩)
高校生活最後のHRが終わり、ある程度交流を済ませた🚺は通いなれた生徒会室に向かうと、背後から「よお、まだ帰ってなかったのか」と心地の良いテノールが室内に響く。🚺は「黒岩?」と振り返ったが、普段は寸分の乱れもなく制服を着こなす男がノーネクタイで、更にはブレザーの上着から全てボタンを取っ払っていたものだから驚いてしまった。
「何それ釦全部無くない?」
「あぁ、釦が欲しいと言われてな。」
「はー……流石は色男ね。」
「馬鹿にしてんのか?」
「なんでよ、普通に褒めてるだけでしょ。」
「は、どうだかな。」
「最後まで性格悪いな…」
「あ?」
「なんでもないッス。」
まぁ、このように性格は悪いが確かに顔は整った男だ。釦を求める女子が多いことも頷ける。とか内心思っていると「そういえばお前、留学するんだってな」と言われ、少しばかり眉尻を下げつつ、「そうだよ。一週間後にはもうイギリスに行く予定なんだけどやっぱり不安でさ~、だから文武両道で、まさに完璧人間黒岩くんの釦をお守り替わりに貰おうかな~とか思ってたってわけ」まぁそれは叶わなかったわけだけど。と肩を竦めて力なく笑う。黒岩は暫く🚺を見つめていたが、何か思い立ったように🚺の背後へと距離を縮めると「おい、」と声をかけ、🚺が振り返ったその瞬間、そっと触れるだけの口付けを贈る。
あまりにも唐突な行動に目が瞬かせていると、「生憎やれるものが無くてな、これで我慢しろ。」と上から目線の言葉が落ちてきて、思わず誰にでもしてんの?とでも言ってやりたかったし、きっといつもなら言っていたと思う。けれど黒岩の真っ直ぐ見つめる瞳に、🚺はじわじわと体温が上がるような感覚を覚えた。
余談ですが、黒岩は生徒会長をやってるし、頭も良ければ運動神経も良いし、性格の悪さは一部にしか露呈していないので、まぁモテる。ファンクラブもありそう。ただ、高嶺の花タイプなのできゃー!黒岩先輩よ!!!とはならずにヒソヒソと黒岩先輩だわ…今日も素敵…って言われてるタイプ。
■遠足(阿久津&相馬)
いつも仲良しの三人組。遠足の目的地はなんと山の頂上。つまりは登山必須な遠足と言うわけだ。🚺は出発前に気怠そうにしている阿久津の方へと言って「阿久津これ持って」と紙袋を渡すと阿久津は何とも露骨に嫌そうな表情を浮かべたが、🚺は阿久津に怯える事もなく「これみんなで食べるごはんだから」とだけ言って踵を返して列に戻ってゆく。なぜか相馬からも「これも頼むぜ阿久津」と言われて紙袋の中にさらに重たい箱を置かれて、なんで俺が持たなきゃなんねぇんだ。と非常にイライラしながらも登山を進める阿久津。
山頂にたどり着いて、ごはんの時間になると、🚺と相馬が集まって🚺のピンク色のシートを敷いてそこに座るヤンキー&優等生に回りの生徒たちも(なんだあの組み合わせ…)と言いたげな表情を浮かべる。
阿久津はくしゃくしゃにしたアルミホイルで包まれたでっかいおにぎり三つに、相馬はサンドイッチ、其処に🚺が作った運動会かってくらい大きなお弁当箱をどーんと出して三人で仲良く食べる。阿久津のおにぎりを見て「これおっきいねぇ、阿久津が作ったの?」と聞きつつ一個貰うが、おにぎりは三角形の形をしていなくて、なんか丸い。ご飯粒を口端につけていると、阿久津が「ガキかよ」と鼻で笑うが親指でご飯粒を拭ってそれをぱくりと食べる。
ちなみに相馬は阿久津からおにぎりを貰わないし、「俺はいい、いらねぇ」って結構グサっとくるような断り方をしてくるが、🚺の作った弁当は結構食べてくれるし、もちろんサンドイッチも分けてくれる。
食後に「みんなおやつ何買ってきた?」っていって、🚺と相馬の金持ちコンビは500円じゃお菓子は買えないから作ってもらったってトンデモ理論でオシャレなお菓子を出すが、一方の阿久津くんは駄菓子を出したので興味津々な二人。
「これなに?一個一個が小さくない?」
「うるせぇな、駄菓子だよ」
「へー……駄菓子って一個10円のやつよね。相馬は食べたことある?」
「いや、俺はないな。」
「美味しいのかな」
「一個10円のものが美味しいとは思えないな」
とか話して、お前ら好き勝手いいやがって……ってわなわな震えていてほしい()
■期末テスト(綾部)
「🚺、今日の宿題やったか?」
隣の席の綾部はくたくたになった鞄を置いてどかりと座ると、少しばかり体を傾けて問いかける。🚺は綾部に向かって呆れたように「さてはまた宿題を写させてっていう気ね」と言うと、「いいじゃねぇか。お礼はそうだな…明日の期末テストの問題はどうだ?」と提案をしてくる。
「数学ならいいよ」「数学は宿題二回分だな」さらりと二回分要求する綾部に「じゃあ写させてやんない。黒岩くんに頼みなよ」とふいっと顔を背けて様子を伺うと、「いや、黒岩さんは怖いから無理に決まってるだろ…わかった、じゃあ一回分でいいから」と渋々承諾。何様だ。
しかし綾部のヤマカンはよく当たる。ヤマカンなのかどこからか情報を集めているのかは分からないが兎に角当たる。期末テストが始まり問題を見て驚き、ちらりと先生にバレないように綾部の方を見るとドヤ顔してる。
また綾部はヤマカンが当たるだけではなく、記憶力も良いので点数自体は悪くない。ただ、基本めんどくさがりなので宿題などの提出物は🚺のものを写させてもらっている。
あと同級生の黒岩をさん付けで呼んで、ビビッている。
普段はパッとしないけど校内の情報屋として一目置かれてたらいいなー。
■文化祭 (渡辺)
「いい加減にしろ。さっきから黙って聞いていれば、ご奉仕だの何だの…お前ら此処を何だと思ってんだ。」
男たちと🚺の間に割り入り毅然とした態度で柄の悪い男たちの行動を諫めると、男たちは多勢であることもあり「あぁ?なんだよテメェ」と渡辺を睨みつけて凄むが、渡辺は怯む事はないし、寧ろ渡辺の射抜くような鋭い眼光にヒュッと息を飲み瞳を揺らす。「お、おいもう行こうぜ」一人が言い、リーダー格が去り際に「んだよ…ただの冗談だろ、だ、誰がこんなブスと…」と僅かに狼狽えながら負け犬じみた言葉を吐くが、あまりにも愚かで渡辺の地雷を踏み抜くような発言だ。「ーーーあ?」と渡辺が一層低く言葉を返すが、🚺は渡辺の裾を控えめに掴んでそれを留めて「渡辺くん、いいよ。本当のことだし。」と小さく呟く。
「よくねえだろ。なにが本当のことだよ。」
あの野郎と奥歯を軋ませる渡辺に、「ええと、…渡辺君は可愛いって思ってくれてる…ってこと?」と問いかけると、鳩が豆鉄砲を食ったように渡辺が瞬きを繰り返した。その後は「あー…」としばらく言葉を濁していたが、「…まぁ、…そうだな。」と頭を掻きながら呟いた言葉には何処か不器用さと照れが滲んでいたとか。
■余談(渡辺&黒岩)
生徒会長黒岩の相手(夢主)が実はナベさんの幼馴染で、渡辺としては恋愛感情ないが幼馴染だから無意識に距離が近くて、黒岩に目をつけられる。
うっかり「あ、🚺か?」って携帯で電話しているところや、お互いに名前呼びしているところを見られて「ヒッ」てなるし、黒岩からは「随分と仲が良いようだな」とちくりと刺される。最終的には苦労人的立ち位置で「もうお前らにはうんざりなんだよ」って言ってほしい。
■いじめ(海藤)
いじめ現場に遭遇した時に「おーおー女は怖ぇなぁ。」って言いながら首を突っ込んで、「お前らよぉ、自分たちが危害を加えるってことはよ、……お前らも同じようにやられる覚悟は出来てんだろうなァ。」って凄んでいじめっ子を蹴散らすし、🚺に「お前も嫌なら嫌って言わないとな」って言うんだけど付け足すように「嫌だって言ってダメだった時にゃ守ってやるからよ。どうだ心強いだろ。」ってにかりと笑ってくれる。
🚺からしたらスーパーヒーローなんだけど、札付きの不良と評されているため、教師たちからは友達は選びなさいと言われてしまう。(長い)