頑張れ!(🥖👘🍍)

■頑張れ!(🥖👘🍍)

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「そっかぁ、頑張らなきゃいけねぇ日ってのはいつだって憂鬱だよなぁ」
 自分でも感じる緊張に指先が震えて、視線が落ちる。しかし彼はその視線を拾い上げるように大きな両手で頬を包み込むと、「大丈夫、お前が頑張ってきたことおれっちはちゃんと見てきた!お前なら大丈夫だ!」と白い歯を見せながら笑った。

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「お嬢がこれまで頑張ってきた事は確かだ、それだけは変わらないから自信を持つといい」
 大丈夫、大丈夫と頬を撫で、親指の腹が目尻を撫でる。言葉は波のさざめきのように穏やかで、「じゃあ、もしも頑張ったらご褒美くれますか?」と訊ねると、彼は息を漏らすように笑って「あぁ、じゃあ、約束だ」と笑って小指を絡ませた。

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「今から緊張しても仕方ねぇだろうがよい、…つっても、まぁ緊張するものは緊張するか」
 頭を掻いてどう励ましたもんかと悩むマルコ。暫し彼は思案をした様子を見せたが、「じゃあ、頑張ったらご褒美でもやろうかねい」と言って頭を撫でたが「ご褒美なんにしよう」と悩みだす様子に「こらこら、考えるのはあとにしろよい!」と流石に怒ったとか。彼の大きな手は背を叩く。
「頑張ってこい!」

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「なんだ、随分と緊張してるな」
 普段とは異なる様子に、スネイクは海図に向けていた手を止める。色眼鏡の奥に潜んだ瞳は彼女を移し、返答が返ってこない様子に一体何だと首を傾げたが、そう言えば今日は彼女の頑張りを披露する日であることに気が付いた。彼は手にしていた鉛筆を人差し指と中指で挟んだまま、頭を撫でる。大きな手のひらの内にある頭は小さくて、滑らせた手のひらで頬を撫で、彼女の薄い耳朶を親指ですりすりと撫でたスネイクは静かに尋ねた。
「……おれたち航海士は、ある程度の天候は読めるが、それでもどうしても読めない時がある。その時はどうしたらいいか分かるか?」
 当然、航海士でもない××は答えに迷うがスネイクとしても、完璧な答えを求めてはいないのだろう。彼は少しの猶予もなく「いいか」と前置くと、彼女をしっかりと見つめて呟いた。
「予想だに出来ない事が起きた時、その時にある自分の最善を信じるんだ」
 だから、××もその時にあるお前の最善を信じろ。続けた声は穏やかで、胸の中心を指先がつんと突く。そうすれば大丈夫だと白い歯を見せて笑う姿は頼もしく、××は少しだけ詰まった息が上手く吸えるようになった気がして「っ頑張ってきます!」と答えると、彼はもう一度だけ笑って「おう、いってらっしゃい」とその姿を見送った。