九十九
「××氏、ネットで生理痛に良いと言われるものを買ってきましたぞ~!」
生理痛への理解は薄い。しかし理解が薄いからこそネットで調べて生理痛とは何ぞやを学び、得た情報を基にドラッグストアやコンビニをはしごして湯たんぽとか、飲み物とか痛み止めなどを袋いっぱいに買い込んで彼女の元へ。それから「××氏、ほかにしてほしい事はありますかな?この九十九、出来る限りのことはするつもりですぞ」と意気込む彼は頼もしく、罪悪感から××が「ごめんね」と謝ると「なんのなんの、ボクは嬉しいのですよ――××氏に頼られて」そう呟くと、「早く治ると良いですな」と目を合わせてにこりと微笑んだ。
杉浦
「×× さん、ほかにやってほしい事とかない?」
姉がいた影響なのか何なのか、生理痛への知識はそれなりにあった。もちろん女性と比べたらその知識は鼻で笑うほど浅いかもしれないが、それでも気遣うべきである事はよく理解しているつもりだった。ベッドで体を倒す彼女を見て、そっと手を伸ばす。あんまりにも彼女の具合が悪そうだったから。――だが、触れても良いものだろうか。流石に匂いが関係するとは思わないが、それでも彼女が嫌になるような事だけはしたくない。そうして向けた手は止まり、空を掴む。それなのに、彼女は「頭、撫でてほしいな」と強請るので、杉浦はふっと息を吐き出すように笑みを浮かべて「××ちゃんが望むのなら、どれだけでも撫でるよ」と零した。
渡辺
「残念だったな、気が利かない男でよ」
袋一杯に買い込んだナプキンの数に思わず笑いが落ちる。確かにナプキンが足りないから買ってきてほしいとは言ったけれど、まさかこんなに買いこむとは思わないじゃないか。昼用に、夜用に、スリム用。どれが求めているものか分からないからと、色々なものを買いこんだのはまさしく愛情だろう。よく見ると、スポーツドリンクにちょっとした菓子パン、それに家とは正反対の方向にあるコンビニにしかないプリンまで入っていた。「……ふふ、ありがと」礼を言うと、彼は頭を掻いて「いいから腹が冷えないようにして寝とけよ」とぶっきらぼうに呟いた。