ケモになりまして(🐉如)

ケモ耳とケモ尻尾が生えた男たちを愛でるだけの話

「××ちゃんなら触ってもいいよ」

触らせてもらった黒の猫耳と尻尾は柔らかい。椅子に座る趙はそれを満更でもなさそうな顔で受けており、猫の尾が手首へと絡むのは甘えたか。耳をフニフニと揉みこむように触ったあと、本物の猫ではなかなか触らせてもらえない尻尾を緩く掴んで、付け寝からツウー……と撫でると、「……××ちゃんのえっち」と血色の良い顔が笑い、ゴロゴロと猫の喉鳴りが響いた。

山井

意外にも大人しく触らせてくれる山井。黒の尻尾はゆらゆら揺らめいて、耳を触るとピルピルと動く。腕を組んでどっしりと構えるその姿とのギャップは凄まじいもので、「山井さん可愛いねぇ」と言って座る山井の頬を両手で包み込むと、言葉もなく腰を抱かれて膝上へと招かれた。「山井さん?」「……お前の身体はあったけぇなァ……。飼い主責任だ、責任持って温めてくれよ」穏やかな低音が語り、包み込んだ両手に重みが加わる。頬を寄せる山井は決して動かない。ただ、小さな喉鳴りだけが響いていた。

一番

「へへっ、この年になって耳と尻尾なんて恥ずかしかったけどよ。これも中々悪くねえな」

なんせ××ちゃんが触ってくれる。もちろん此処までは言わなかったけれど、好意を抱いた相手に触れられて悪く思う男は少ない。よって彼女が触りやすいよう大股開いてしゃがむ一番は、動物好きな彼女から撫でられ愛でられていたのだが……その一方で色々と分かりやすかったのかもしれない。長い犬の尻尾がぶおんぶおんと風を切るように激しく揺れて、それを見た彼女がニマ~と悪戯めいた顔で笑う。「……撫でられるの好きなんだ?一番のえっち」その瞬間、熱湯を被ったように顔が熱くなる。間髪入れず「えっちじゃねえよ!!」と吼えたが、彼女はいつまでもけらけらからからと笑っていた。そりゃねえよ××ちゃん!

難波

「へっ、ただ犬の耳と尻尾が生えただけだろ。あとは何も変わっちゃいねぇ」

折れ耳に、雑種っぽい毛羽だった尻尾。しかしまぁ、犬というものは分かりやすいもので「難波」と声を掛けて、耳の付け根辺りを触る。ただでさえ折れ耳だというのに耳はペタンと飛行機耳のように倒れて、揺れる尻尾を見ながら「足立さんが難波のこと好きだって」と言うと尻尾は垂れさがり、「私の方が好きだけどね」というと「はぁ?なんだよ急に」と言いながらも尻尾がまた勢いよくブンブンと揺れ出す。……これでいて、本人は隠しているつもりなのだから可愛いんだよなぁ。思いながらも頭を撫でると、彼は首元にあるマフラーで口を隠しながら「意味わかんねぇ」と悪態をついた。