可愛いあの子は地下アイドルなんだってさ

真島
「……センターに立つには売り上げが重要っちゅうことやな?そして××チャンはセンターに立ちたいと……その願い、俺が叶えたるわ。……オイ、お前もファンならもっと買って漢気を見せたらんかい!」
推しには勿論優しさたっぷり。後方腕組み彼氏とはいかずガンガン会いに行くし、多分グッズも鬼のように買う。ただ、他のファンに対してはドスの聞いた声で脅すので引かれる……と思ったら引かれずに謎の結束感が生まれる模様。


「…………確か、これでお話が十五分間と、おまけでチェキも取れるんだっけぇ?」
バァン!と叩きつけるように置かれたチェキ券。積まれたそれの量に思わず「お話の方がおまけです」とも言えず「ヒョエ……」となる××。その目はマジだったし、チェキ後のサイン時に「他の客みたいに名前を……天佑、って書いてくれないんだ?」とチェキを爪先でコンコン叩いて強請る趙。無事に名前入りとメッセージ入りのチェキを受け取ると、嬉しそうな顔を見せて唇に寄せたとか。

マスター
「…………ほう、センターを取るためにはファンの努力が必要と」
媚びを売られるのも悪くはないが、購入したとてその金額は彼女たちに殆ど降りないのだから中々アコギな商売だ。低い声が紡ぐ言葉は穏やかだが、購入数は控えめ。ライブでも後方腕組み彼氏並に後ろでしっぽりと聞くので、ファンからは(××ちゃんのお父さんなのか……?)とか思われてる。

春日
「××ちゃん……俺はよ、××ちゃんがセンターを踊ってほしいんだ」
「確かに他の子たちも可愛いし、ダンスもうまいかもしれねぇ。でも、俺は××ちゃんがいいんだ。……といってもまぁ、対した数買えないんだけどよ。」
春日一番とは欲も悪くも真っ直ぐな男だ。だからお金がなくても毎日足を運んでは一枚だけCDを買ってくれる。……もっと人気のある人を推せば毎日センターで踊る様子を見れるだろうに、どうしてそんなに私を推してくれるのだろう。彼はいつも真っ直ぐにみてくれる。だから私も頑張らなきゃいけないなと背筋を伸ばして「頑張るね」と言うと、彼は太陽みたいな笑顔を見せたとか。

ソンヒ
「…………ふむ、人気差が凄いな」
地下アイドルライブにやってくる絶世の美女。ファンの間では(もしかして……有名プロデューサー?!)とか思われてそうだけど普通にファンなだけ。グッズはしっかりと購入してくれるし、誕生月には「今月は誕生日月だろう。集計を楽しみにしていろ」と言って、どういうことだろう……と思っていたら、次曲のセンターポジションになっていた。一体いくら積んだんだろう……思いはするが、本人は後ろの方で満足そうにホクホクとしていたので聞けずに終わる。