悪戯にキスをして

「背中のとこ、開けてくれる?」

 彼女はそういって後ろ髪をかき上げて大きく開いたドレスを身に纏った背を見せるので、腰辺りについたジッパーを下ろしてやりながら、悪戯に背骨に沿って痕を無数に残すと彼女の唇から吐息が落ちる。反応を窺うように、それから関係性を明確にするために項に噛みつけば、彼女は「うあ…っ」と声をあげて、どこかうっとりと悦に浸ったように目を細めた。

 嫌がるようであれば止めるという選択肢も湧いて出たかもしれないが、こうやって悦ぶのだから止めるという選択肢が無くなるわけで、「……ん…ッ、待って、カク………」と腰を震わせる彼女につい笑ってしまった。

「待たん。」
「なんでよぉ……」

 彼女は逃げるように体を捻って体を此方に向けると、キリンのように背骨に沿って無数に残された痕は見えなくなってしまったが、代わりに熱を帯びた瞳がわしを睨む。

「本当に止めて欲しいんなら本気で止めればいいじゃろ」

 言いながら彼女に首輪としてプレゼントした金のパニッシュミーチョーカーに指を引っかけて此方に引き寄せると、そのまま唇に触れるだけのキスを二度ほど、それから頬や目尻、額とキスを繰り返して段々と”その気”になってきた彼女を自然と組み敷いた。
 別にキスだなんて初めてではないし、それ以上の事は散々やったというのに彼女は今だ可愛い反応をしてくれるもので、その反応を楽しみながら顎に鎖骨に耳の根本とキスを繰り返して、ついでに痕も残して”その気”になった彼女がおねだりをしてくれるその時まで、悪戯は続いた。

 とはいえ、何事もやりすぎというのは良くないもので、その後「せめて隠れるとこにして欲しい」という彼女からのクレームと「生々しいから、わざわざ見えるとこにスんじゃねぇ!気まずいんだよ!」というジャブラからのクレームを受けてしまったが、まぁそれは無理なお願いなので無視をしておこうと思う。