最近、どうにもハクガンくんに懐かれているように思う。
目が合えば、謎のピースサインをしてくるし、暇であれば後ろをついてくる。それはさながら子ペンギンのようで可愛らしく思うが、私の手をとって固く、体温の感じない仮面の口元に摺り寄せるのは何なのか。
いつだったか、「これは一体何をしているの?」と聞いた事がある。ハクガンくんは緩く首を傾げるだけで「秘密」といって明確な答えを返すことはなかったが、これをしたあとのハクガンくんはいつだって満足そうで、ご機嫌であった。
まぁ、謎の行動は多少あれど、特に実害がないのだ。不快さも感じない以上は目をつぶるしかない筈で、私もあまり気にしていなかったのだが、気付けば膝の上に招かれることが増えていた。しかも膝の上に招かれるだけではない。彼の長い腕が腹へと回り、ぎゅうと抱きしめるのだ。
「ええと…ハクガンくん……?」
なんだ、なんなんだこの状況は。なんだかいつのまにか外堀を埋められて、さらには距離まで詰められているような。そう思ったけれど、ハクガンくんは相変わらず不思議そうに首を傾げるので、きっと気のせいであると思いたい。――が、彼の大きな手のひらが、私のお腹を撫でるので、もしかしたら気のせいではないかもしれない。