どぽん。夜の帳が下りた静まり返った廃港で、やけに大きな音が響く。絶体絶命、万事休すの八方塞がり。沈みゆく身体は鉛のように重く繋がれた重りたちは深海へと体を引き寄せる。呼吸が出来ずに段々と心臓が握り潰すような圧迫感がじわりじわりと体を蝕んで、遠ざかりゆく意識の中で、苦しいってことは死ねるんだろうか、と言葉が落ちる。ああ、人が、人として死ぬというのはこういう感覚なのかーー。走馬灯なんて巡りやしなかったがまるで深い眠りに落ちるような感覚に私は瞼を閉じた。
黒岩
「死ぬんじゃねーぞ、情報屋!」
「お前は俺が殺してやる。だから他のやつに殺されるような真似はするな。」
珍しく声を荒げる黒岩。両肩を掴んで呟いた言葉は遠回しの心配なんだか、自分の獲物なのだという主張なんだか。無茶苦茶な台詞になんだか笑ってしまった。
しかし、死にかけたのにへらへらと笑うので死ぬほど睨まれるし、「おい、自分の状況が分かってねぇみたいだな。」と言われて、頬が引きちぎれるんじゃないかってくらいつねられる。後日「あの時助けてやったのは誰だ?」と言って暫くはこき使われる。
杉浦
「どうして…なんでこんな無茶ばっかり…。僕らが助けにいかなかったら死んでたかもしれないんだよ…いくら死なないからって無理してもいいって訳じゃないでしょ!」
意識が戻った🚺をぎゅっと抱きしめながら、子供みたいに怒りも悲しみもごちゃ混ぜに自分の気持ちをぶつけるが、最後には肩口に顔を埋めて「🚺までいなくなったら僕はどうすればいいの」と弱々しく呟いた。
その後しばらくは一人で行動することを禁じられるし、「いや、でも」と言ったら、「答えはイエスだよね」と圧をかけられる。怖い。
海藤さんが「まぁいいじゃねぇか、🚺ちゃんも反省してるしよ」とフォローするけど「海藤さんは黙ってて」って切り捨てるし、東が「お前兄貴に向かってなんて態度だ…!」と声を荒げても、黒いオーラを発しながらギロリと睨んでヒッてなる。ハイパー過保護モードに入ったら誰も止められないといいな。