キリンを愛でる彼女

悪魔の実を食べて以来、幼馴染は「キリンになって!」とねだることが増えた。

どうやらキリンになったわしの姿を気に入っているようで、キリンに変化したわしを見ては可愛い可愛いと言って頬を擦り寄せている。甘やかされているような甘やかしているような。まぁしかし可愛いと言う矛先が他に向かないだけまだマシか。

要望通りにキリンに姿を変え、長い鼻先でソファに座る彼女の腹をくいと押せば○○はくすぐったそうに笑うので、悪戯に、押した際に捲れ上がって露わになった腹に舌をぬるりと這わせると、笑っていた〇〇の喉がひくりと震えて「…ひ、…っう、」と小さく声が落ちた。

途端に静まり返り、熱湯を頭から被ったように真っ赤になる〇〇。キリンは草食動物のはずなんじゃがと思いながらもう一度臍から脇腹にかけてずるりと伸ばした舌で舐めては、彼女の体が明らかに強張ってわしの鼻の上を軽く手のひらで押した。

「ふ…っ、…も、もうやめてよ……」

頬を赤らめながら吐息まじりにくすぐったい。と言われて仕舞えばなんだか居た堪れない気持ちになってしまい、体を人の姿に戻して彼女の前に降り立ったわしは、彼女の赤みを帯びた頬を撫でて瞳を見つめた。

「いやぁ、〇〇がキリンにばかり構うからのう。」
「えぇ?キリンはカクだからいいじゃない」
「いーや、ここのところキリンの姿ばかり愛でておるじゃろう。…ああ、それとも此方の姿は飽きてしまったか?」

わしの問いかけに瞬きを繰り返す〇〇。
わしは、素直に気持ちを反映させるこの金色の瞳が好きだ。子供じみた問いかけを受けて数秒後、愛おしさを包み隠さず瞳に馴染ませると、彼女は立ったままだったわしの腰へと腕を回して「カクの方がもーっと好きだよ。当たり前じゃない。」と幼い頃から変わらない笑みをわしに向けた。