たまには彼を虐めて

「改めて見ても凄い傷跡よね」

共にベッドに寝転ぶ熱帯夜。暑いからと上半身裸になっている彼の胸板を見ると、そこには痛々しい傷跡が残っていた。

「これ、ロロノア君に切られた時の傷?」

問いかけながら傷跡に指を這わせた私は、戯れるようにつうっと指を滑らせる。上から下に、下から上に、意味もなく指でなぞっていると、僅かに彼の腹筋がひくりと震えて彼の方から吐息が落ちた。どうやら傷跡が性感帯になるという噂は本当らしい。視線を上げるとカクはなんとも言えない表情を浮かべていたが止めろとは言ってこなかったので、彼の傷跡に唇を押し当てるようにしてキスをして、時折舌を這わせると、そこでようやく彼が私と傷跡の間に手のひらを差し込んだ。

「……は…っ、一体なんなんじゃ」

吐息まじりに零す彼の余裕の無さが愛おしくて、「ただの悪戯だよ」と零した私は彼に口付けて「嫌だった?」と問いかけたが、彼は珍しくも口をへの字に顔を赤らめていたが、言葉は返ってこなかった。