雨の日には傘を持って

※日!清のアオハ.ルパロです。
※棒立ちで濡れ鼠になる🦒可愛いからC!M見てほしい。


下校時間。帰り道が同じ養護施設である私とカクは、帰路を共にすることが多い。この日も同じく、カクとフクロウと待ち合わせをしていたのだが、先生にちょっと頼まれてくれと捕まってしまった私は、玄関へと向かうのに遅れてしまった。カクもフクロウも優しいから遅い!とは怒らないだろうけれど、申し訳なさは募るわけで、足早に玄関前の靴箱に向かって上靴から靴に履き替えていると、そこにやけに急いでいるような友人が走ってきて、やめておけばいいのに私はつい声をかけてしまった。

「あ、ナミちゃん!また明日!」
「また明日!あっ、今から雨降るから傘持った方がいいわよ!」

ナミちゃんは急ぎながらも挨拶を返し、おまけとばかりに忠告をしながら走っていった。直後、ナミちゃんが玄関扉を出たあたりで、ざあっという雨の音と、突然雨に降られた生徒たちの悲鳴が響いた。
うーん、さすがは航海士を目指すだけあるなぁ。
カクやフクロウは大丈夫だろうか。
靴を履き替えて傘立てから自分の傘を取り、悲鳴が上がった玄関を出ると、すぐに小柄なフクロウと長身のカクの凸凹コンビを見つけることができた。──が、何故だかカクはずぶ濡れの濡れ鼠ならぬ、濡れキリンで。

「お待たせー……って、ちょ…っお!カク!なんでそんな濡れてるの?!ずぶ濡れじゃない!」
「おお、○○。丁度雨に降られてのう。」
「チャパ〜、カクは微動だにしてなかったぞ〜。」

なんてことないって口ぶりで呟くカクに、フクロウは多少呆れたような面持ちで言った。

「なんで屋根があるところに逃げずに受け止めてるわけ…?もー意味わかんないんだけど。風邪引くわよ」

本当に意味がわからない。たしかに悲鳴が上がった際、カクの声は聞こえなかったけども。
わたしは鞄から四つ折りにしたフェイスタオルを取り出して、背の高いカクの頭に向けて背伸びをしながら乗せてやれば、カクは少しばかり機嫌良く笑いながら、前屈みになったのでずぶ濡れの帽子を取り上げて頭をわしわしと乱暴に拭いて最後は濡れタオルを首にかけて帽子を彼に押し付けた。

「馬鹿ねえ」
「馬鹿とはなんじゃ馬鹿とは」
「雨に打たれて微動だにしないのはお馬鹿さんですぅー」

最終確認で拭いた頭に手のひらに乗せる。うん、よく拭き取れている。ついでに右に流して、左に流すと、やっぱりカクは機嫌が良さそうに目元を和らげるものだから、なんとなく心臓がぎゅっと痛む。
痛みを誤魔化すように手を下ろした私は、フクロウに向けて問いかけた。

「あ、そういえばフクロウは傘持ってる?」
「チャパパー、おれは傘持ってるぞー」
「おお、流石だね!あとは、…カクはどうせ持ってきてないでしょうし、私の傘に入る?」
「いつもすまんのぅ」
「あはは、まったくだ」

口ではああ言っているが、雨の降る日になぜか傘を忘れる幼馴染はきっと反省なんてしちゃいないだろう。からからと軽い調子で笑う彼を見上げながら傘を開いた私は、私よりも背の高いカクに差し出した。背の低い私が背の高い彼に合わせて傘を持つと、挙手状態が続くため辛いのだ。

「ん」
「仕方ないのぅ」

カクはやれやれといった感じで白々しく肩をすくめて傘を持つ。全く、なんてやつだ。そんなことを思いながらも彼の隣に立った私は、カクとフクロウの三人で養護施設に帰るのだった。